2008年05月31日

ある政令指定都市の病院

   「白衣の堕天使」掲載より抜粋

 

 看護業務は何処に行っても一律だと思っていた私は、やっぱり甘いのかもしれない。国家資格は全国統一であり、何処に行っても同じような意識レベルなんだと思っていた。だが、そうではないらしい。

 ある地方に暮らしてみて初めてそういう実態を知った。

 

 まず、患者の保清援助を看護婦は全くしないというのだから驚いた。さらには食事介助、おむつ交換、注入準備・接続・・・・・。あげくは完全看護を唱っているくせに夜間の付き添いを当たり前のように家族に依頼するというのだから参った。

「なにそれ?馬鹿じゃないの?」

以前の看護師仲間や看護学校時代の友人は口をそろえてそう言う。当然私もそう思っている。

「最初はさ、どこの病院も給料安いなって思ったんだよ。その辺のアルバイト並みじゃんって。でも、よくよく実態しっちゃうとさ、看護師、仕事してねーじゃん、んじゃ、給料も安いわって感じなんよ。」

そういう私に電話の向こうで友人がけたたましく笑った。

「やっぱり帰ってきなよ。そんな田舎にいないでさ?だいたいあんたマナってきてるよ?」

「分ってるよ。いいんだよ、もう。」

「あーあ。そっちに染まんないでよー?」

染まるつもりはもうとうない。

 看護師と名乗ることが恥ずかしい地域だった。

 処によっては患者への虐待が常時行われているところもある。おかしいと思う看護師はいないのか?内部告発する職員はいないのか?訴える患者・家族はいないのか?

 何故、そんなことが罷り通っているのか?私には疑問だ。

 ある病院に勤めたときなんとなくそのからくりが分った。

 

「(以前勤めていた病院では)いらいらすると(患者を)蹴っ飛ばしたり、ひっぱたいてた。」

そう、笑いながら話す若い看護師がいた。

「ストレス溜まった時にいいんだよねぇ。今でも時々やりたくなる。」

驚く私に彼女は続ける。

「先輩とかもさ、ふられた時とかめっちゃたたいてんだもん。」

「口聞けない患者とかさ、おらさっさとしろよ。このバーカとか言って、後ろから蹴り入れんの。こけたらこけたで、ナニやってんだよ、もたもたすんなとか言って5.6回蹴っ飛ばしてやった。」

そう楽しそうに話すのだった。彼女の話を総合すると病棟中でグルになっているらしく、日々そういった事は行われているらしい。全体的に浸透しており、看護学生もそのような中で育っているもんだからあまり違和感を感じないというのだから変だ。いくらそういうことが日常的に行われていても、自分をしっかり持った人間ならその状況に溶け込んだりはしないと思う。だが、そうではないというのだから理解出来るもんじゃない。

 しかも、彼女一人ではない。

 この地域に住んで出会った看護師の中には、患者に対する虐待行為をしたことがあり、しかもそれを楽しんでいると平然と語った者が数名いる。

 

 どう考えても異常事態だとしか思えない。

 私自身レベルの低い看護師だと思っていたのに、それ以下の看護師がこの地域には沢山いる様子だった。しかもそれが表沙汰になっていない。一体これは?

 もし目の当たりにしたら私は絡む。そういった事は、ココではやめたほうがいいぞ、と忠告する人々もいる。

 でもおかしいぞ?どっちもおかしい。

 なんにせよ、私の性格上現実に事が起こったら動くことだけは確かだ。

 

 この人達と同一職種であることが、私は厭だ。

 あんたたちの仕事はナニ?薬といじめ?それだけ?

 そんなんだったら国家資格などいらない。

 

 まず、私の大事な人は絶対に入院させない。

posted by 木下小櫻 at 15:47| Comment(0) | 復刻・白衣の堕天使 (看護師時代) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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